2009年 03月 12日 ( 1 )

バスの中の急病人

バスに乗っていた。
停留所に止まったところ、二人がけの座席が空いたので、そこに腰掛けた。
まだ立っている人もいるし、奥に詰めたら、座ろうとバスの階段を登ってくる女性がいた。
(二人がけ座席ゾーンは少し高くなっていて、二段ほど階段をのぼらなくてはいけない)
その人が、わたしと目を合わせたまま崩れ落ちた。
バスの手すりにつかまるようにして。

その人は、目を見張ったまま動かない。近くの人と一緒に支えて声をかけた。
あとから聞いたら介護福祉士さんという女性がいて、倒れた女性を寝かせて脈を取った。
倒れた女性は目をぱっちり開けたままで、目の前で手を振っても瞬きすらせず、意識もない様子だった。脈がかなり弱いとのことだった。
運転手さんが救急車を呼んでくれた。

救急車が着くまで5分程度だったと思う。
その間に急ぐ乗客の皆さんはバスを乗り換えたりしていた。
救急隊の方が駆けつけたと同時に、その女性は立ち上がって階段を上り、二人がけの椅子に座ってしまった。介抱していた女性も、救急車がわかりやすいように外に立ってたわたしたちも、無理矢理引き止めることもできなかったし。
そのあとは、倒れた女性は救急隊の方が搬送しようとするのをかたくなに拒んでいた。
説得が長く続き、急がずに見守っていたお客さん達もバスを降り始めた。
わたしは目の前で起こったことというのもあり、なかなか立ち去りにくく、でも救急隊の人とのやりとりを耳を澄ませて聞いているというのも嫌な感じがしたので、バスの外で見守った。

15分くらい説得したと思う。交差点付近のバス停だったので大渋滞。
でも無理矢理連れて行くことはできず、救急隊の方はあきらめて、バスにそのまま乗っていくことになった。
運転手さんは不安げで、連れて行って欲しそうだったが仕方なく発車することになった。
「少しでも気分が悪くなったら言って下さい!」
とおっしゃっていたが、運転手さんが顔色を見ながら運転できるはずもない。
結局誰が言い始めた訳でもないけど、介抱をした人たち、わたしを含めて四人が同乗することになった。市内均一区間外まで行くバスで、定期の範囲外で、家からはかなり離れていくのでちょっと悩んだけど、でもここでさよならするのもなあ・・・と思った。きっと同じことを他の人たちも感じているだろうから。

結局彼女は終点まで乗った。
ふらついていないか確認しながらバスから降りてもらい、追加運賃を払ってバスから出たら、彼女の姿は消えていた。
その辺で倒れて車にひかれたら怖いので、周囲の道路を探したけれど、全く見つからなかった。

なんだかいろいろと釈然としない気持ちが残った。
そんなに救急車に乗りたくないのかな?
心配してバスに同乗しているというのは、言わなくちゃわかんないのかな?
救急車を呼ぶのはおせっかいだったのかな?
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by kae_hon | 2009-03-12 23:18 | 日記